令和5年3月定例会報告〜一般質問〜

 前回の市議選で大府市の議員として初めての負託を受けてから、あっという間の4年間でした。
 市民の皆さまにご奉仕させていただけていることへの感謝を、改めて心に刻みつつ、今任期最後の一般質問に臨みました。

 テーマは「生徒指導」です。かつては生徒指導の理論や考え方、指導方法などについて網羅的にまとめられた基本書がなく、長らく現場判断で行われていました。そのため、学校間、教員間の共通理解に基づく組織的、体系的な生徒指導が必要であるとして、文科省の有識者会議での議論を経て2010年3月に出されたのが『生徒指導提要』です。
 それから12 年、新たな法律や制度だけでなく、子どもたちを取り巻く環境や社会情勢も大きく変化。より多様化、複雑化した生徒指導の課題に対して柔軟に対応するべく、内容が大幅に変更、増強された改訂版が昨年12月に公開されたことを受け、本市学校の生徒指導にも適切に反映させるために、今後どのように取り組むのかを尋ねました。

 いじめ対策については、「学校の教育的指導だけでは、解決が難しいことも多い」ことから、「学校だけでなく保護者も含めた組織的な対応が必要」としたうえで、「すべての児童生徒がいじめをしない人に育つことを支える視点が大切である」との認識が、答弁で示されました。
 また、いわゆる「ブラック校則」問題への世間の注目度の高さから、マスコミにも大きく取り上げられた校則については、改訂版で示されたウェブサイト公開などの対応を確認し、各学校のウェブサイトで校則を公開する準備が進められていることが、教育部長の答弁で明らかになりました。また、校則に対して意見表明することや、その見直しに参画することによる教育的意義についても、見解を質したところ、答弁では、「主権者意識を育てるために、校則づくりの当事者として学校の活動に参画することは重要な学びの機会」との認識が示されました。

 また、生徒会が中心となって、校則を生徒たち自分たちで議論して改訂案を作成し、生徒総会で議決する活動も行われているとの答弁もあったことから、宮下はこれに対して、「民主主義社会においてルールの制定や改廃を行うにあたっては、予め決められた手順を踏んだ適正な手続きを経なくてはならない」のが前提である点に言及し、それは「自分たちの代表をみんなで選ぶ選挙の意義と一体不可分」であると指摘したうえで、今回の改訂版『生徒指導提要』が校則について「絶えず見直しを行うこと」を求めていることから、今後も生徒間の活発な議論がいずれの学校でもしっかりと継続されていくよう、強く要望しました。