令和2年12月定例会報告 ~一般質問~
この12月定例会では、初めて環境問題を一般質問のテーマに取り上げました。
要旨としてはまず、「第2次環境基本計画」が満了となることから、計画期間の最終年度である令和2年度の資源化率の達成見込みと、資源化のさらなる推進に向けた課題、また、今後の取組についての見解を質すとともに、地球温暖化防止の施策に関しても、菅総理大臣が所信表明演説で「2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする」との目標を宣言したことから、自治体間の連携による「カーボン・オフセット(※注)」の先進事例を紹介しつつ、家庭や事業所等を含め、排出される温室効果ガスをまち全体で減らしていくための取組の現状と、これからに向けた考えなどを尋ねました。通告した質問項目は下記のとおりです。
(※注)
「カーボン・オフセット」とは:削減努力を可能な限り行ったうえで、どうしても減らすことができないCO2排出量の全部または一部を、他の場所での吸収、削減で埋め合わせ、相殺するもの。
1.より環境に配慮した「サスティナブル健康都市おおぶ」推進に向けて
(1)循環型のまちづくりについて
①「第2次環境基本計画」の計画目標年度である令和2年度における資源化率の達成見込みはどうか
②燃やせるごみと燃やせないごみ、それぞれの資源化率を高めていくための課題は
③今後も資源化率を高めていくための取組についての考えは
(2)地球温暖化防止の取組について
①家庭や事業所等を含め、市全体で排出される温室効果ガスを減らしていくための市としての取組の現状は
②自治体間の連携によるカーボン・オフセットの取組についての考えは
(1)の「循環型のまちづくりについて」では、資源化率の数値が重量ベースの指標である点に着目し、現状はごみとして処理されている品目のうち、陶磁器を新たに資源化するよう提言したほか、(2)の「地球温暖化防止の取組について」においては、東京都新宿区の自治体間連携によるカーボン・オフセットの先進事例を紹介しながら、本市も都市間交流がある遠野市や王滝村といった中山間地の自治体と取り組んではどうかと問いかけました。
まず(1)について市民協働部長は、資源化率の目標値について「達成困難」であることを認めたうえで、「ごみの組成調査」の結果、さらなる分別徹底で資源化量を増やす余地はまだ残されていることから、より利便性の高い場所への公共資源ステーションの移設など、資源を出しやすい環境づくりを行うとともに、様々な機会での啓発を実施していく考えを示しましたが、新たな資源回収品目の追加については前向きな答弁をいただけませんでした。
(2)の地球温暖化防止の施策に関する市長答弁も、「2050年カーボンニュートラル」および「脱炭素社会の実現」について、令和3年度スタートの「第3次環境基本計画」に基づいて進める旨の既定路線にとどまりました。
特に(2)については今後、より厳しい環境基準が国から示される可能性を想定し、各家庭や事業者にとっても協力しやすい新たな方策について、先進事例なども参考にしつつ、あらゆる角度から早急に検討を進めていく必要があります。
ちなみに、質問の中で取り上げた東京都新宿区の事例は、友好提携関係にある長野県伊那市と締結した「地球環境保全のための連携に関する協定」に基づき、間伐等の森林整備を通じて区内CO2排出量の一部を相殺するというもので、宮下は、事業規模に応じたクレジットを購入していただく形で市内事業者の協賛を募り、それを財源に都市間交流のある中山間自治体での森林整備を代わりに進め、そのうえで、しかるべき認証を受けたCO2吸収量を分配するというスキームで、本市もカーボン・オフセットに取り組んではどうかと提言したものです。こちらも資源回収品目への陶磁器の追加とともに、ぜひとも前向きに検討していただきたいと考えています。