令和2年9月定例会報告 ~一般質問~

 新型コロナ対応による運用の変更に加え、15名もの議員より質問通告が出されたことで、 9月10日(木)・11(金)・14日(月)の3日間の日程で行われた9月定例会の一般質問。
 宮下は2日目の午後2番手で登壇し、「感染症と災害という二つの脅威から市民の命と安全を守るために」と題して下記の項目で質問しましたので、いくつかの答弁の概要と所感を記しておきたいと思います。

(1) 密を避けるために避難所の数を増やすなどの検討状況は
(2)新型コロナを含む感染症対策を講じた避難所の設営、運営について、今後の周知や研修をどのように計画しているか
(3)「新しい生活様式」に対応した防災ガイドブックの点検は行われているか
(4)感染症への恐怖心から発する差別や排除が起こらないよう、人権啓発や適切な情報発信にどう取り組んでいくのか
(5)無症状感染や感染疑いがある市民等が自宅外避難を要する場合、外部の関係機関との連携等の検討状況は
(6)在宅時間増に伴う熱中症予防のため、高齢者や所得の低い世帯等にエアコン設置等の支援を行うことについての考えは


 まず市長からは、 5月の災害対策支部総点検の際に、避難所における感染症予防と新型コロナ対応に関する周知を行ったことに加え、新たに策定した「新型コロナウイルス等感染症予防に対応した避難所運営マニュアル」にも、災害の発生が事前に想定できる場合に学校体育館等を早い段階から避難所にすることや、「3密」対策などを盛り込んだとし、その上で、避難所における感染症の蔓延を防止する対策を今後も進めていく旨の答弁がありました。
 ただ、市民協働部長からは、 現在28ある指定避難所を増やすにはマンパワー上の課題があるとの実情も明かされており、宮下はこれに対し、避難所の定員不足によって予想される車中避難を含む避難所外避難者の把握や、安全確保などの課題を指摘しました。
 また、新型コロナウイルスを含む感染症対策を講じた避難所の設営・運営については、新たなマニュアルに基づく避難所の設営・運営訓練において、避難所における感染症対策がメニューに加えられたとのことであり、今後とも新たな動きに応じて実施していく旨の答弁でした。こうした新たな知見が職員に広く共有されていくよう、そのノウハウを着実に積み重ねてほしいと思います。

 感染症への恐怖心によって差別や排除が起こらないようにするための人権啓発や適切な情報発信については、 同じ9月定例会に上程された「大府市感染症対策条例」に盛られている「差別的取扱い等の禁止」条項も答弁の中で触れられ、今後も避難所で受入拒否が起こらないよう啓発していく考えが示されました。
 無症状感染や感染疑いがある市民等に自宅外避難の必要が生じた場合における外部関係機関との連携等の対応をお尋ねした質問に対しては、PCR検査待ちや濃厚接触者として自宅待機中の方が避難所に避難してきた場合、「避難所に専用のスペースを設けて対応」する旨の答弁がありましたが、現状の限られた避難所スペースの中でどう実現するかは大きな課題であり、今後の対応を見守りたいと思っています。