令和4年12月定例会報告〜一般質問〜

 本市の岡村市長は2016年から、「地域に飛び出す公務員を応援する首長連合」に参加し、職員が地域に飛び出すことを積極的に推奨されています。
 同首長連合では、「地域に飛び出す公務員」が公益目的の正当な対価として報酬を得る活動を行う際にも、それが「副業」と捉えられて許可されない場合が少なくないという課題に対し、企業等への従事の許可基準の線引きを行うとともに、その望ましいあり方を示すために、「望ましい『公務員の福業』ガイドライン」を2018年に提案しています。

 しかしながら、その後も運用面においては、各地で試行錯誤されている課題が少なくないことから、本市における取組の総括と今後への対応について現時点での認識を確認するとともに、そのさらなる促進に向けた見解を明らかにするべく、一般質問で取り上げることとしたものです。
 そこでまず、市長が同首長連合に参加して以降の取組を通じ、これまでに得られた成果をどう評価しているかについて、見解を尋ねたところ、企画政策部長は、「報酬を得る活動として、自治区の組長、他の自治体での研修講師やセミナー講師、中学校の部活における指導員やアシスタントコーチなど、すでに地域と連携した様々な活動をして」おり、「活動を応援する効果があった」との認識を示しました。

 また、市長が過去の議会答弁で、職員が地域に飛び出すことを通じて得られる経験を「行政経営の面にも生かしてほしい」と述べている点を踏まえ、職員が市外のNPO法人等で業務に従事することを通じ、本市にはまだない先行的、先進的な取組を学び、それが将来的に新たな施策の種となって市民利益に還元される可能性もあることを前提に、「職員が地域に飛び出す」意義を「地域」の定義と市民利益に照らして、どのように捉えているかについても認識を尋ねたところ、「職員が地域貢献活動を行う場は必ずしも市内に限定されない」(秘書人事課長)として、どこで活動するかによらないとの見解が明確に示されました。

 再質問では、報酬を伴う地域貢献活動を行う場合などの基準は何かを尋ね、毎年4月に人事係が発出している通知と、具体例を明示した別紙であることを再答弁で確認したうえで、それが「こうあるべき」という例示になってしまうことで、従前の例にない新たな地域貢献ニーズへの対応を難しくする縛りとならないか、公共性、公益性などに照らしたうえで、柔軟にカバーできる仕組みになっているかを、今後のさらなる推進の観点から改めて見解を質しました。
 これに対して秘書人事課長は、「通知が示している具体例は幅広い地域活動の一例であり、新たな地域貢献ニーズにより職員が活動を行う場合は、公共性や公益性に照らして柔軟に対応する」と答えました。

 最後に、庁内的に何らかの評価につながったり、リスペクトされたりといったことを通じ、「地域に飛び出す公務員」が積極的に推奨される市役所組織となっているかを確認し、企画政策部長は答弁で、「目標管理シートに『地域貢献活動』欄を設けており、これによって、職員は地域貢献活動を評価される」とした一方、「何らかの評価を受けたり、リスペクトされたりということよりも、地域に飛び出すのが当たり前な市役所をつくっていく必要がある」とも述べました。
 最後の意見では、その姿勢を大いに評価するとともに、業務時間外に報酬を得て行う活動において、市民に信用してもらえる透明性を適切に担保しつつ、多様な働き方のもとでマンパワーが有機的かつ柔軟に活躍できる体制づくりが、本市においてもそう遠くない将来、必要になってくるとの視点を提起しました。