令和4年3月定例会報告 ~一般質問~
いわゆる「予算議会」である3月定例会が無事終わりました。開会前は「まん延防止等重点措置」が継続中で、第6波による感染者数が大府市でも最多となるなど、コロナ禍の先行きは依然として見通せない状況が続いていました。
無所属クラブでは、こうしたコロナ禍を含む様々な状況の変遷を踏まえつつ、あれもこれも「できないから仕方ない」とするのではなく、今後の“ウィズコロナ社会”のあり方も見すえながら、「サスティナブル健康都市おおぶ」の持続可能で発展的な姿をどう描くかという視点を特に重視し、予算審査に臨みました。賛成討論の要旨は、5月1日発行の「おおぶ議会だより」にてご覧いただけましたら幸いです。
さて、3月定例会の一般質問ですが、「不特定多数の方々が訪れる市役所等の公共施設を、より人にやさしい場所としていくために」と、「成人年齢18歳への引下げに伴う若者の消費者被害の拡大を防止するために」という、2つのテーマを取り上げました。
まず1つ目から。市役所や図書館など、不特定多数の方々が利用する公共施設における点字ブロックおよび点字表記の整備、また、音声案内等への取組については、令和元年9月定例会の一般質問で取り上げましたが、当時の建設部長答弁は「ユニバーサルデザイン等の考え方もその段階で完璧ということではない」、「使い勝手や、使っているうちの状況などで直していく必要がある」というものでした。
その後、東京2020を契機として、我が国におけるユニバーサルデザイン、バリアフリー施策がさらなる推進を見たこと、大府市でも「障がいのある人のコミュニケーション手段の利用の促進に関する条例」が成立したことなどから、こうした状況の変化を踏まえつつ、『手で見る地図(触知案内図)』(画像は西尾市役所に設置されたもの)の導入や、補助犬も多機能トイレを利用可能であることを周知し、理解促進を図る『ほじょ犬マーク』などと合わせて、市役所等の公共施設を“より人にやさしい場所”としていく施策について、市としての考えを改めて問うたものです。
点字ブロックと点字表記に関しては、残念ながら従前と同様の答弁内容にとどまり、『手で見る地図』導入も「予定はない」(都市整備部長)と後ろ向きな考えが示された一方、市役所をはじめとする公共施設への『ほじょ犬マーク』掲示については、補助犬の多機能トイレ利用への理解が「十分に深まっていない」(福祉部長)として、「自立支援協議会等のご意見をいただき、議論を進めていきたい」(同)との前向きな回答が得られました。
お隣の刈谷市では、平成17年3月策定の「交通バリアフリー基本構想」が、平成18年12月のバリアフリー法施行ならびに平成31年4月の同法の改正法施行等を背景に、令和2年度から9年度までを計画期間とする「刈谷市バリアフリー基本構想」に改定され、総合計画、都市計画マスタープランなどのまちづくりに関連する諸計画や、障がい者福祉および高齢者福祉に関連する諸計画等とも整合を図りながらのまちづくりが進められています。
宮下は、バリアフリー基本構想に対する認識や見解について別の機会に改めて取り上げるとしたうえで、最後に意見として、「市が管理する公共施設でやれていないことが、まちづくりで行えるのか」と問いかけました。
2つ目は、若者の消費者被害防止がテーマです。4月1日の改正民法施行で18歳と19歳が新たに成人となり、親権者の承諾なしでも契約行為を行えるようになることから、「未成年者取消権」というバリアによって守られてきた彼らを悪徳商法や詐欺の魔の手から防ぎつつ、冷静な判断を行える賢い消費者として育てていくために、本市の消費者行政として具体的にどう取り組むのかを質しました。
所管の産業振興部長からは、宮下が質問の中で指摘した懸念について市も同様の認識である旨が答弁され、そのうえで、今後はこれまでの対応に加えてSNSの活用等による啓発も行っていくとの考えが示されました。
宮下はこれに対し、 親や祖父母といった周りのベテラン世代の大人が本人の異変に気づく、日頃から注意喚起するといったことを通じて、契約の取消に関する制度や知識の適切な活用による被害防止につなげていくことも、合わせて大切なポイントである旨を再質問で指摘。
市側はこれについても、「広報やウェブサイト、SNS、講座、産業文化まつりなどのイベント等で、家族への啓発も継続的に取り組んでいく」との姿勢を改めて強調しました。