令和3年3月定例会報告 ~一般質問~
YouTubeを使った動画配信を約10年も前から行ってきた大府市。
近年、SNSサービスでも平成29年から令和2年にかけて、Facebook、Twitter、Instagram、LINEと、公式アカウントを次々に開設し、ソーシャルメディアを通じた情報発信を拡充してきました。
ただ、令和2年度で満了となる「情報化基本計画」には、「SNS」や「ソーシャルメディア」といった言葉はどこにも見当たらず、平成29年4月に改定された「大府市の広報戦略」でも、「新たな広報媒体としての調査研究」の項目に、メリットとデメリットの比較や運用面について「事前に検討する必要がある」と言及されているのみで、SNS等のソーシャルメディアがどのようなルールに基づいて公式に運用されているのかは、いまいち不明瞭な状況でした。
炎上等のリスク対応にも耐えられる体系的な運用ルールを細かく定めておくことで、庁内の各所管課が自らの判断でSNS等を開設し、対象の市民等に対して必要な情報発信を行えるようになり、ひいてはそれが、すべてのアカウントを一括管理している広報広聴係の業務負担軽減にもつながると考え、先進自治体での事例を紹介するとともに、質問として取り上げることにした次第です。下記の通告内容で質問しました。
1.市民に、より伝わる、つながるソーシャルメディアの活用を目指して
(1)情報インフラとしてのソーシャルメディアの位置付け、各種サービスの特性等を踏まえた効果的な活用について ①本市におけるソーシャルメディアの位置付けと運用は、行政として何に基づいて行われているか
②伝えたい情報とその目的、対象等に応じて、各種サービスの特性、役割分担等をどのように整理して運用しているか
(2)正しいルールと適切なプロセスに基づくソーシャルメディアの安心・安全な運用体制について
①各種ソーシャルメディアを通じた発信について、実際に投稿を行う際の庁内でのプロセスはどのようになっているか
②ソーシャルメディアに投稿する際の留意事項や禁止事項等を定めた統一ルールはあるか
③職員等が個人でSNS等に投稿する際のガイドラインの策定や、研修を通じた注意点等の共有は行っているか
答弁で市長は、現在のコロナ禍で「ソーシャルメディアの重要性は増している」との認識を示し、企画政策部長からも、「大府市の広報戦略」の見直しを進める中で、新たな活用方法等について検討していくとする方針が述べられました。
また、SNSを通じた行政による情報発信の最新事例では、「防災」「ごみの日」「子育て」などの情報ニーズを住民が自ら選択できるなど、よりパーソナルな方向に進みつつある傾向にも言及したところ、ほしい情報を選択して受け取ることができるような仕組みについて調査を進める旨、前向きな答弁が得られました。
今後も、SNS等のソーシャルメディアでの情報発信を積極的に進めてほしいと考える一方、市長が答弁の中で触れた「即時性」「拡散性」というメリットが “炎上リスク” とコインの裏表の関係にあるとの側面を正しく理解することが、市民利益に資する情報発信インフラとして、安全に運用していくうえでの大前提であるという点も、改めて肝に銘じていただきたいと思うところです。