令和元年6月定例会報告 ~一般質問~
閉会から少し日にちが経ってしまいましたが、改選後初の定例議会となった令和元年第1回定例会(6月議会)が無事に終わりましたので、ご報告申し上げます。
特に初の一般質問が本当に反省点だらけでしたが、先輩議員の皆さんからは会派を超えて大変あたたかいご指導のお言葉をたくさん頂戴し、感謝の念に堪えません。
流れについていくだけで精一杯と感じた部分も多々ありましたが、先例や申し合わせ事項等を含む議会運営ルールは非常に興味深く、とても勉強になりました。
こうして一つひとつの経験をしっかり糧にしながら、市民の皆さまに託された民意のバトンを市政につなぐ責任を一層強く自覚し、引き続き励んでまいりたいと思います。
さて、今回の一般質問では次の2つのテーマを取り上げました。
1.地域公共交通網形成計画について
(1) 計画策定に向けた議論の前提として、解決すべき様々な地域課題の最重点をどこに設定するのか
(2)ふれあいバスの運行形態の更なる改善にどうつなげていく考えか
2.RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)導入について
(1) 今年度の導入範囲で費用対効果をどの程度見込んでいるか
(2) 全庁的な導入はどの程度まで可能と考えているか
(3) 導入によるゴールをどう設定しているか
まず、1番目の「地域公共交通網形成計画について」ですが、「市民アンケートや事業者とのヒアリング、利用状況調査などで、地域公共交通の現状と多様化する住民ニーズを把握することが必要」であり、「基礎的なデータを収集、分析、検証することにより、地域公共交通の課題を整理していく」との答弁でした。
今後のデータ収集の中には、市民の皆さまの利用意向に関するものが含まれることも確認できましたので、現状の利用状況調査だけでは見えにくい潜在ニーズも踏まえた上での路線改善となるよう、これからもしっかり推移を見守っていきたいと思います。
2番目の「RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)導入について」は、「2040年問題」(参考:総務省の「2040年予測」、東京を含む“自治体崩壊”をどう乗り越えるのか)を視野に、最新技術も生かしながら今後さらに進んでいく人材不足にどう対処していくか、との視点から盛り込んだものです。
大府市では10年、20年先も人口増加が予測されていますが、国全体では人口縮減が進んでいく中で、2040年には団塊ジュニア世代が前期高齢者となる一方、20代前半の若者はその半分という見込みであることから、日本中で官民を越えた過酷な人材獲得競争が発生する事態が懸念されています。
行政に対する住民ニーズは今後も多様化していくことが確実と見られますが、従前の公務員削減の流れで市役所のマンパワーはすでにギリギリの状況です。
RPAは、パソコンの定型業務を自動化するソフトウェアで、大府市でも今年2月~3月に行われた実証実験で高い効果が証明されています。
答弁では今年度の費用対効果は「未定」としながらも、導入でめざすべきゴールについて、「AIやRPAといった新しい技術の活用が、事務効率化やワークライフバランス実現には有効」であること、また「情報化の進化や社会環境の変化に対応し、限られた人材や財源の中で持続可能な行政経営が必要」であるという点でも、認識の一致を確認することができました。
市役所など公的セクターにおけるマンパワー確保は、公務員の給与水準を定める人事院制度の構造上、どうしても民間の後手に回らざるを得ない側面があり、今後さらなる深刻化が予測される人材不足にも、現場がすぐにパンクするようなことがない仕組みづくりが必要であるという意味で、この先も事務効率化への息の長い取り組みが求められます。
市役所の人手不足によって行政サービスのどこかに穴が空いたり、質が低下したりすれば、そのしわ寄せは市民の皆さまに及ぶことになります。
大府市の置かれている状況を常に俯瞰しながら、最新技術や先進事例、国の動向などをいち早くキャッチするアンテナと長期的な視点をもって、引き続き建設的な政策提言を行ってまいりたいと思います。